デサント社のアリーナブランドは、その競泳水着が硬化するなどの問題が掲示板でも指摘されているが、スイムショーツの方はどうなのか、80年代のものから見て行こう。
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アリーナも、スイムショーツはご多分に漏れずベージュ(箱の表示はBGE)が中心だったが、80年代に私が好きだったのは、この様なカラースイムショーツだった。型番はARN−94。サイズはMとLがある、定価は900円だった。 |
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箱の形はすべて同じで、ハート型の窓から中身の色が分かるが、色は箱の上にも表示されている。ピンクはPNKである。なお、男性用も同じ形の箱に入っているが、箱の色がピンクでなくグレーで、「MEN’S」と明記されているので、混同する事はないだろう。男性用の型番はARN−91である。 |
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次はブルーだと思うと、表示はSAXとなっている。 まずこんな事はないと思うが、タグが下にはみ出して水色の文字が見えたら、アリーナのスイムショーツである。箱には記載がないが、タグによればナイロン75%、ポリウレタン25%、防透素材のない時代のものであり、白い水着の下に着ければ、スイムショーツ自体の色も、ボディも透けて見えてしまう。 以上のカラースイムショーツは80年代の品物であり、今日では入手は不可能と思われる。ブラックはBLK。 | |
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これらARN−94の箱には、使用上の注意が記載されている。これは別に珍しいことではない。洗濯の際に塩素系漂白剤を使うな等の表示は一般的である。しかし、ARN−94の場合は、「洗濯時にはクリーニングネットをご使用下さい」「前回に漂白剤をご使用なら、洗濯槽をよく洗って」等と書かれている。これは、今日販売されている物についても同様で、アリーナの品物を入手し、使用したなら、スイムショーツを大切にした、この注意書きに準拠した扱いをしたいものである。 |
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次に紹介するのは、ARN−96。色はLBL(ラブル)と表示されている。ナイロン95%、ポリウレタン5%で、形としてはオバさんのガードル風。だが非常に薄く、スイムショーツが果たすべき役割はほとんどなさないといえる。バック・ビューは割愛。 |
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最後は今日入手可能なARN−7095。これは、最近新宿の高島屋で入手した。その時、ショーツの売場の前で、若いOLが携帯電話で「今、水着を見てるの」などと話していたので、わざと彼女の前で見本のスイムショーツを触って感触を確かめ、品物をレジに持っていった。彼女は驚いていたが、電話を切るわけにもいかず、呆然と私を見送っていた。 それはさておき、この現行品ARN−7095は、まことに実用本位の、色香の感じられないスイムショーツである。上記のARN−96もそうだが、こうした薄物は、ご存じの諸兄も多いと思うが、1回使うと上のゴムの部分が外側に反り返ってしまい、2度と使う気にならない。しかし、こうしたタイプが今日のスイムショーツの主流である事も否定できない事実である。 |
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デサントの「アリーナ」ブランドは、ミズノの「スピード」と並ぶ競泳水着の双璧であることに異議をはさむ者はなかろうが、スイムショーツについては、かつてのようなカラー物などが陰をひそめ、少数のタイプが水着売場の片隅で細々と売られている状況である。しかし、箱に記された注意書きからも分かる様に、スイムショーツに関しても水着と同様、長い歴史のあるメーカーであるのだから、カラー物、Tバックを初めとする今日的な形などを開発するなどして、捲土重来(けんどじゅうらい)を期待したいものである。 |