Part2 第4話

セシール

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 今回は、長い歴史のあるセシール(東京セシール株式会社)のスイムショーツ。ショーツとしての形のタイプは全て揃っている。そしてセシールの「売り」は「水に入って、ぬれても透けないショーツ」で、多くは、素材が綿85%、ポリウレタン15%である。

 では、小さい方から順に見て行こう。


 先ずはNo.300(900円)。
 このスイムショーツは別に紐を切ったのではない。最初からこの形で売られている。下は通常のバックビューでなく裏である。現在では「サイズM」との表示しかないが、70年代には、「ストリングビキニ用」と表示されていた。
 ストリングビキニとは、要するに紐ビキニで、70年代の日本では、サイドが紐の水着はまだ珍しく、専用のスイムショーツがなかったので、このタイプが作られたのだろう。箱には、「水着に紐を直接縫い付けて使用」するようにと表示されている。

 No.300の表示は、右上で小さいので、「左側緑」と覚えて欲しい。





 次はNo.1400(900円)。  ご覧の通りTバックである。
 「左側黄」で、箱には、「ハイレッグの水着に適し、前身のみのタイプ」とある。つまり、この製品が作られたのは、ハイレグという言葉はあったが、まだTバックという言葉は一般的ではなかった時期だという事が分かる。
 これが、現在でも店頭にあるのだから、スイムショーツとは、いかに長期間同じ物が売られているか分かろうというものだ。いうまでもなく水着の方は年々変化するのだから、合わないスイムショーツを着用している女性を一概に責められない。だが、そんな中では、多くのタイプを揃えたセシールは、まだましと言えよう。





 続いてNo.1100(1,200円)「左側紺」である。
 サイドが紐のビキニ用で、上のNo.300の完成型と見ることもできるが、こちらはきちんと穿くものであり、生地も厚くなっている。実際、このタイプのスイムショーツが、若い女性の着用率としては一番高いのではないかと思う。

 ここでは、セシールの物であるという確証はないのだが、きれいにこのビキニタイプのラインが浮き上がった写真があるので、同時にあげておく。モデルは桂木亜沙美。







 ここまでの3品は、いずれも箱の大きさは同じで、スイムショーツがビニール袋に入っている点も同じである。これらの製品を購入しようとする諸君は、箱の後ろをよく見て、目的のタイプを確認して欲しいが、周りの目で、なかなかそうは行かない場合は、上記の箱の左側の色を覚えておくこと。

 次の2つはワンピース用。





 1つめのNo.1000(1,200円)はセシールの最も特徴的な製品である。
 箱にはこうある。「前部分 綿85%、ポリウレタン15%、後部分 ナイロン85%、ポリウレタン15%」つまり、透けてはいけない前面部は綿中心で、後ろは早く乾くようにナイロン中心で、という作り方になっているのだ。20年前、初めて着用した時、なるほどと思った事を忘れない。箱の左側は赤。





 次のNo.1200(1,800円)。
 セシールのここまでのすべての製品には、「白のスイムスーツをお召しの方は、弊社No.1200」を用いよ、とある。要は前後が厚い綿で出来ているので、当時(70年代)あった完全に透けてしまう白い水着用である。箱の左側はオレンジ。

 これらワンピース用は、作りがゆったりしていて、男性でも十分使えるし、現在の製品でも白の海パンには、男性用よりよほど優れている。





 最後は最近の製品、No.2100(1,200円)。
 型番を見ただけで、世代が違う。透け防止素材ボディシェル使用とある。素材のみならず、形も明らかに90年代の水着に合わせて、ハイレグになり、小さくなっている。この製品を着用しようとするなら、通常はヘアの処理が必要だろう。
 男性の着用は上記のビキニ用各製品と同様、少々苦しいか。



ズキっちのワンポイント評論

 セシールのスイムショーツは、20年以上のロングセラーである。箱のデザインは何年かに一度、変更されているのだか、中身は不変でここまで来た。これはやはり、製品作りがしっかりしていたからだろうし、私、ズキっち自身も70年代、穿きづらい他社製品に比べて着用感の良さに関心し、愛用した一人である。最初にNo.300を買ってしまい、次にNo.1100を買いに行って、女性の店員に、これはちゃんとショーツの形になっているかと確認した、などという、今では懐かしい思い出もある。
 しかし最近の水着素材、形の変化から、もはや綿中心で出来た「旧式」のこれらの製品の寿命は(商品として)尽きたといわねばなるまい。来世紀に向けて、この「古豪」がどんな新製品を出して来るか、大げさでなく、どんな女性よりも、私は期待している。


 次回第5話は「スピードその1」です。次回は80年代に登場した、カラースイムショーツの最高傑作シリーズを見ていきます。ご期待下さい。


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