Part2 第9話

ワコール



 下着メーカとしてのワコールは説明不要だが、同社のホームページにもスイムショーツについての記載はない。女性用下着界最大手の同社にとっては、スイムショーツの市場など、取るに足らない存在なのかも知れないが、それでも製品数はあまりに多く、その全貌をここで紹介するのは不可能である。いつもどおり、ショーツタイプのみではあるが、可能な限りの製品を並べてみた。
 尚、通常は、ショーツのバックビューと一緒に箱を表示しているが、今回は、箱が解説のポイントとなるので、すべて別に表示する。


 まず、前史(?)ともいうべき、MY(マイでなくエムワイと読むのだろうな)シリーズを2つ。

 箱の前面のデザインは、お気づきと思うが、ショーツのフロントビューを模している。



製品によっては、背面はこのとおりボタン止めになっている物もある。




では中身。

 まずMY−191−CBは「スーパーハイレッグ」となっている(写真左)。素材は、「ポリエステル、綿他」と表示され、%は分からないが、ほとんどコットンショーツである。1800円。
 次は、MY−198−CB(写真右)。「Tバック」である。バックは裏返してあるが、こちらは、ナイロン、ポリエステルと表示されてる。この製品は、スキャンの際、少し色の調整を誤ったようで、実際はこんなに濃いベージュではない。ゴメン。





 では、現在のSYQシリーズ。商品の番号順に見ていこう。SYQ−003/CBから。
 えっ?001と002はどうしたかって?あるはずなのだが、私は持っていない。SYQ−002は、防透でないビキニであることが分かっている(ビクトリアで展示されているのを見たことがある)。001はおそらく、ワンピース用だろう。いずれにせよ、これがSYQ−003の箱である。(写真左)

 SYQシリーズは、すべてこのように、フロント・バックとも女性モデルが着用した写真が表示されているので、ショーツの大きさ・形等が確認できる。但しご覧のとおり、モデルが着用しているショーツの色は、中身の色に関わらずベージュで統一されている。
 更に、「本当はもっとハイレグだ!」との指摘もあるので、ここでは可能な限り引っ張り上げてある。さっきのMY−191にそっくりだが、箱に表示されているとおり、防透素材のポリエステルとポリウレタンでできている。定価1,800円。




 次は、SYQ−004/CB(ベージュ)と/BL(ブラック)の箱、このとおり箱には窓が開いていて、中身の色はこの窓から確認できる。そして、この窓があるため、これ以降紹介するすべてのショーツは、ちょっと変わった特徴があるのだが、それは後でお話ししよう。





ご覧のとおり、フロントにはワコールマークの紙タグが付き、もはやワコールの普通のショーツ(つまりパンティ)と変わらない、ハイレグワンピース用ショーツである。
 生地はポリエステル80%、ポリウレタン20%の防透仕様。これも1,800円。




 次にSYQ−005/CB及び/BL。「スーパーハイレッグカット」であり、「ビキニ」とは記されていない。汎用だとメーカーは考えているのだろうか。





 私は、新宿の高島屋で、カップルが水着と一緒にこのショーツを買うところに出くわしたが、その際、男性の方が「ヒモが細いなぁ。切れたりしないのかな。」と驚いていたが、ビキニ用としては、他社(セシール等)に比べると、サイドのヒモは太い方であることにお気づきだろうか。実際に女性が穿いた画像をサポーターフェチ氏がギャラリーに提供されているので、同画像も参照して欲しい。→
 材質はポリエステルとポリウレタン。




 ついで、お待ちかね(?)TバックのSYQ−006/CB。

 ここまでお尻丸出しだと、モデルもカメラマンも恥ずかしかったろうな。しかし、それを乗り越えるのがプロというものか。
 箱の裏の表示は小さくて見えないと思うが、「ショーツラインが気にならないTバック」と記されている。でも、実際は(少なくとも私は)一目見れば、SYQ−006だと分かるが。


 言うまでもなくバックは裏返してあるが、ご覧の通りタグと布の幅がほとんど同じくらいである。着用の際は、はみ出しに注意。でも、Tバックで1,600円は高いよ、ワコールさん。




 さて、SYQ−007。

 このように、007を特徴づけているものは、窓から見えるカラーバリエーション、そして「草木染」のシールである。左上から、中身を見ていこう。





 SYQ−007/RP(ピンク)である。形を見てお分かりと思うが、SYQ−005の草木染が007なのである。ピンクだが、いかにも下着メーカーらしい、嫌味のない色といえよう。





 続いて同/YE(イエロー)。う〜む。ブラウザ上では、ちょっと色が濃すぎるか。もう少し淡い黄色である。





 さらに同/ME(メロン)。「ブルー」でなく「メロン」というのがミソ。





 オレンジというから、読売ジャイアンツのカラーのような色を想像するが、このとおり、草木染の目論見が外れたのだろうか。同/OR(オレンジ)は、SYQ−005とほとんど区別がつかない色になってしまっている。。



 最後は同/BR(ブラウン)。濃い色だ。淡色の水着には使いづらい。これのみワコールのタグを取ってしまった。




 以上、5色のバリエーションというのは、もはや今日では下着メーカーの品以外、まず考えられない事である。しかし実際には、5色全て取りそろえてある店はほとんどないが。価格はすべて1600円である。




 さて、前述した、これらビキニショーツ、Tバックショーツのちょっとした特徴であるが、ショーツのフロントに付いた、ワコールのタグの位置に注目して欲しい。このまま箱に入れると、窓からこのタグが見えてしまう。それで、これらのショーツは、逆さに(つまり股の部分を上にして)箱に入っているのである。もし、店頭に箱からタグが見えている品があったら、それは、誰かがショーツを一度箱から出して、元に戻したという事である。私は買わない。
 さらにもう一つ。老婆心ながら、一部の古い在庫品の中に、箱の横にバーコードが印刷されていないものがある。これをPOSレジに持っていくと、公衆の面前で、箱からショーツを出されて、そのバーコードをスキャンされる羽目になるので、購入の際は注意すること。(経験者は語る。)




 SYQ−008の存在は不明。




 続いて009。張り付け用なので「スイムアンダー」となっている。さすがに、モデルが着用というわけにはいかなかったか。両面テープで肌につけるとかして。ハハハ、無理か。




 最後にスイムショーツではないが、CWXを紹介しよう。
 CWXとは、スポーツ用の下着、膝・肘等のサポーター・シリーズであることはご承知の方も多いと思うが、一時、スポーツショーツも製品ラインにあったのである。
 これがそのHSY−001/WH(白)であるが、スイムショーツの方に白がないだけに、新鮮に感じてしまうのは、私だけではないだろう。
 現在ではこのシリーズは中止となり、スポーツブラなどと共に「2ND BODY」シリーズとなったのだな、という事くらいは、スポーツサポーターファンなら、一目で気が付いて欲しいものである。
 2ND BODYシリーズと同じく2,500円である。ま、これは余談である。



ズキっちのワンポイント評論

 私は、このシリーズでも掲示板でも、常に「スイムショーツ」という言葉を使っている。「アンダーショーツ」とは決して言わない。アンダーじゃないからだ。私にとってショーツとは、人目に晒すものなのである。
 今回取り上げたワコール社は、「夏のブラは見せてもいい」として、下着をアウター感覚で着ようと宣伝して、はばからないメーカーである。今回取り上げた(SYQシリーズになってからの)各製品はこれまで取り上げてきた各社に比べれば、確かに良くできている。が、アウターにしてもおかしくないスイムショーツ、それだけの色、形、そして縫製の確かな製品かといえば、まだまだと言わざるを得ない。でも、我々はワコールに期待するしかないだろう。「本当のおしゃれは下着から」ではないが、決してカラー物から撤退することなく、近いうちに「スイムショーツは見せてもいい」というコピーと共に、下着メーカーならではのスイムショーツの誕生を期待したい。


 さて、このスイムショーツ・カタログも、こんなペースでやっていたのでは、いつまでたっても、私のコレクションは紹介しきれない。そこで次回、第10話以降は、各話にテーマを設け、テーマ別に複数のメーカーを紹介していくことにする。
 で、次回は「婦人服専門店のスイムショーツ」として、三愛、鈴丹、アブアブなどで取り扱っているスイムショーツを十数枚、まとめて紹介する。乞うご期待。


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