#003 サポーターの魅力…
本来、スポーツ用下着は、選手の肌や身体を守るとか、汗を効果的に吸収する、あるいは汗やその他の分泌物から、逆にスポーツウエアを守るなどという重要な役割があります。しかし、それ以上に忘れてはならないのが、選手の身体の隠すべき部分をきちんと隠すという大切な役割です。
現代のスポーツウエアは、動き安さなどの機能性やファッション性などを追求するあまり、ますます小さく薄くなってきています。このスポーツウエアの進化は、選手の肌を露出する方向に進んでいくため、スポーツ用下着の持つ「隠す」という機能が、非常に重要な要素になってきています。
例えば水着の場合、水に濡れると布地が透けやすくなります。体操競技などでは、レオタード姿で大きく足を開き、股間を周囲にさらすこともあります。フィールド競技では、ランニングパンツなど股ぐりがルーズなウエアで激しい運動をしなければなりません。
このように、遊びであれ本気であれ、スポーツをする(あるいはスポーツウエアを着た)彼女たちは、「危うい」状況にあることは確かです。しかし、一般にスポーツを行うのは公衆の場であるため、いかにウエアが薄く、ハイレグで、あるいはルーズフィットであろうが、陰部やアンダーヘアは絶対に見えてはならないのです。万が一水着が透けても、ウエアがずれたりめくれたりしても、公衆の面前に彼女たちの陰部がさらされるようなことがあってはならないのです。
そこで必要になるのが、スポーツ用の専用下着、すなわちスポーツサポーターです。スポーツサポーターが、彼女たちの大事な部分を隠してくれるのです。
しかしここで、大きな問題に直面します。サポーターはあくまでも下着であるため、陰部を隠すと共に、サポーター自体が見えても困るのです。さらに女性心理としては、そのようなものをウエアの下に着用していること自体を悟られることは、非常に恥ずかしいことなのです。なぜなら、サポーターは普通の下着以上に恥ずかしい形状をしているからです。ますます小さくなるウエアや薄くフィットするウエアにあわせ、サポーター自身もウエア以上に小さく薄いものとなっているからです。
陰部を完全に隠すということと、外部からその存在を知られないようにするという、相反する要求がサポーターには求められているのです。このためサポーターは、一切の装飾を省き、極限まで小さく薄くなり、まるで肌の一部と見まがうような形状となってしまいます。
普通の下着とは違うサポーターの持つ特殊性は、次の3点でしょう。
- 極限まで小さく薄いというその形状。
- サポーターという非日常的な(特殊な)下着であるということ。
- サポーターを穿いていること自体が恥ずかしく、絶対秘密にしておきたいという女性心理の複雑さ。
このようにサポーターは特殊な下着であるが故に、必死で隠そうとする彼女たちの努力の甲斐もなく、サポーターラインがウエアの上に透けたり、サポーターがウエアからはみ出したりした光景は、「見られることがが非常に恥ずかしい、陰部を隠すことが精一杯の極限の形状をした非日常的な特殊な下着」を彼女たちの意に反して見たという、なかばサディスティックな感情と共に、ヌードにも勝る特殊なエロチシズムとして、我々の目に映るのです。
ここにサポーターの持つ、えもいわれぬ魅力があるのです。
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