第14話

やっぱり医学の世界は奥が深い・・・


 今まで色々な女性から聞いた話を紹介してきましたが、今回はその中でもとっておきの話を紹介させて頂きます。今回の話の主役はKさんという当時23歳の女子大生なのですが、ただの女子大生ではなく将来の医師の卵、女子医学生だったのです。

 Kさんに出会ったのは友人の結婚式の2次会で、新婦の友人として招かれていました。2次会の参加者で3次会の飲み会に突入したのですが、その時にKさんと詳しく話しをしました。その時、彼女は某国立大学医学部5年生で、いわゆる臨床実習というものを行っている最中との事でした。
 ショートカットの丸顔の女性で、凄い美人というわけでは無かったですが、穏やかで優しそうな顔つきでした。しかし、そんな柔和そうな顔をしていながら、その口からはぽんぽんとアンダーヘアーだ睾丸だと、普通の人が聞いたら赤面しそうな単語が出てきました。それも、普段からそういう事を勉強してるからなのでしょうが、何のためらいも恥ずかしさも無く、特に酒に酔った訳でもなく、普通の会話に出てくるごく普通の単語のようにしゃべっていました。
 医学の事などは、普段聞く事も知る事も無いので、良い機会だと思って色々と興味深い話を聞かせてもらいました。この後紹介するのは、このHPに関連する内容だけにしますが(でも少し番外編っぽいです…)、これ以外にも色々な話を聞いて、驚き・圧倒され、なるほどと納得し、知的好奇心を大いに満足させてくれる非常に有意義な時間を過ごす事が出来ました。(例えば、ホラー映画でよくお腹が切れて中から内臓が飛び出してくるシーンとかがありますが、Kさんによると、あれはほとんど大嘘だそうで、内臓には薄い膜がかぶっていて、靭帯のような物で引っ張られているので、簡単には飛び出したりしないそうです。)

 まずKさんに教えてもらったのは、アンダーヘアーの話です。アンダーヘアーの話というと、非常に卑猥で失笑を買いそうなものでありますが、Kさんによると、死体を解剖したり研究する法医学では非常に重要な物だそうで、例えばアンダーヘアーに白髪が混じっているかどうかで、大体の年齢推定が出来るそうです。また、特に夏場では、アンダーヘアーを見て不自然に形がそろっていたり短かったりした時は、剃ったり刈り揃えたりした後であり、若い女性だと推定する事も可能なんだそうです(一般にアンダーヘアーを剃ったりするのは若い女性だけだからだそうです)。
 女性のアンダーヘアーと言えば、無毛、いわゆる「パイパン」の女性は、実際に100人に1人位いるそうで、これは別に病気ではなく、股間の毛根の感受性が少し低いために起こるそうです。その感受性が低い部分が脇や足ならば、その部分の毛が生えてきにくいという事になるそうで、男性でも毛深くない人は男性ホルモンの量が少な目か、感受性が低めのためだそうです。ちなみに「パイパン」の女性は、江戸時代などでは大工さんの奥さんとして非常にありがたがられたそうで、「毛が無い」=「怪我無い」の引っかけだそうです。
 また女性のアンダーヘアーは、基本的に股間の逆三角形だけだそうで、女性ホルモンの働きで生えて来るアンダーヘアーは、その三角形部分だけだそうです。それ以外のアンダーヘアーは、女性でも持っているごく少量の男性ホルモンの働きで生えて来ると言われているそうですが、どのような下着をつけてるかとかでも、アンダーヘアーの形はすぐに変わってしまうそうです。他にも、アンダーヘアーの生え方による成長の分類とかいうものがあるそうで、アンダーヘアーと言っても、医学的には非常に重要な意味があるようです。
 アンダーヘアーの話一つでも、こうした話題がポンポンポンポンと出てくるのですから、Kさんの知識の凄まじさというものが分かって頂けるでしょう。

 この調子ですから、アンダーショーツの話になって、いつもの様に自分が「アンダーショーツには女性の大事な部分の炎症を防ぐ役割がある」というような事を言っても、Kさんにしてみれば、ごく当たり前の話のようでして、「水着のようなナイロン製の物は、股間で擦れると簡単に炎症を起こすでしょうね」と言い、小学生くらいのまだ大陰唇がちゃんと発育していない状態ならあまり関係ないが、成人女性は炎症予防のためにアンダーショーツを着用していた方が無難でしょう、と言っていました。何でも炎症も軽いだけなら痛みやかゆみだけで済むそうなのですが、変な菌が付いたりすると不妊症になる可能性もあるかもしれないとも言っていました。
 ちなみにKさん自身は、このような事を知っているためか、アンダーショーツをきちんと着用するそうで、「自分の体の事を考えると着用すべきだと思う」と言いました。ただTバックタイプや極端なハイレグタイプのアンダーショーツは、股間に食い込む事を考えると、炎症予防という点での効果は疑問?だそうで、「アンダーヘアーが透けるのを予防する最小限度の下着といったところ」ではないかと言っていました。水泳選手が記録を伸ばす事を目的に、少しでも小さいアンダーショーツが必要だとか、Tバック形態のアンダーショーツしか着用できない水着である時はともかくとして、普通の女性がプライベートで水着になる時は、きちんとしたアンダーショーツの方が理にかなっているとのことでした。

 もう一点、Kさんに聞いたのは急所の話です。
 まず男性の場合からですが、睾丸が、なぜあれほどの激痛を発するかという事ですが、Kさんによると、睾丸の周囲には白膜とかいう比較的強い膜が覆っているそうです。その膜には神経の繊維か非常にたくさん入っているそうなのですが、睾丸に物が当たると、その膜は強くて硬いため伸びるという事が出来ず、衝撃をそのまま受け止める事になるそうで、そのために激痛が生じると言われているそうです。次に女性の場合ですが、自分は女性の股間が本当に急所かという事に興味があったので、良い機会だと思いKさんに聞いてみました。
 女性の場合、男性の睾丸以上に神経が集中しているクリトリスがありますが、そこに衝撃が来た場合、やはり睾丸の時と同じように悶絶するような痛みが生じるだろう、とKさんは言いました。ただクリトリスは非常に小さいので、そこを衝撃が直撃するという事は少なく、喧嘩や格闘技で故意に狙わなければ、まず女性がクリトリスを強打する事は無いのではないかと言いました。そのように考えると、女性の場合は、やはり恥骨に対する衝撃がメインの痛みになるだろうと教えてくれました。
 恥骨というものは自分達が思っている以上に、骨がむき出しになっていて、知覚神経も集中しているそうです。そこに衝撃を食らうと足の脛を蹴られるのと同じようなもので、同じ類の痛みだろうと言っていました。また股間を蹴られたりする事は、「生殖器に悪い影響が出るのでは?」という不安を掻き立て、精神的な面から、実際の痛み以上に感じるのではないかとKさんは言っていました。
 いずれにせよ、女性を暫く行動不能にする事くらいは出来るだろうと言っていました。Kさん自身は、股間を蹴られたり強打した事は無く、また友人・知人で股間を強打した女性を直接見た事が無いので、その痛みは具体的には分からないとの事でしたが、中学生の頃に、軽くテニスボールが恥骨に当たった位で「きゃん!」となった事があるそうで、もし全力で蹴られたりしたらと思うとぞっとするとの事でした。また実習の時に蹴られてではないですが、バイクで転倒し股間を強打して、病院に運び込まれ入院していた20歳くらいの女性を見た事があると言っていました。その女性は恥骨がずれていたそうで、将来正常分娩は少し難しいかもしれないそうです。交通事故の時には、こういう恥骨がずれる(恥骨結合解離とか言うそうです)ような骨折が希にあるそうです。さすがに、「蹴られたり平均台で打って恥骨がずれたとかいうのは聞いた事が無いし、それくらいの衝撃じゃ恥骨がずれたりする事は無いでしょう」と言っていました。ただ男性でも女性でも股間は急所ではありますが、力を加減した刺激であれば強い快感を生み出すところであり、まさに「人間の体の神秘」だそうです。

 これ以外にもKさんから聞いた面白い話しは色々あるのですが、HPの主旨とは全然違う方向に行きますので割愛させて頂きます。まあ、今回の話自体、番外編のような感じも否めませんが・・・
 このようにKさんは凄い知識の持ち主ですが、まだ学生でしたし、特にアンダーヘアーや急所の事について詳しく勉強している訳でも、将来そういう方面に進むというわけでもありませんでした(内科の方に進みたいとか言っていました)。それでも、医学の常識的な事としてこれだけの知識を持っているのですから、医学の世界の奥の深さというものは底知れぬ物だと改めて感じました。
 こういう事を専門で研究している先生もいるそうで、そういう人の知識は一体どれく らいなのかと恐ろしくなってきます。今ではKさんも何処かの病院で女医さんとして働いていると思いますが、また機会があれば話をしたいものです。

 今回はアンダーショーツの話はあまり出てきませんでしたがいかがでしたでしょうか?
 また御意見・御感想を教えて下さい。



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