ボクはチアガール(2)


第5章、体育館

 そんなことから、体操部の練習にもあまり気合いが入りません。技は失敗ばかりです。
「どうしたの、真一」
そのことを女子体操部の薫が気づいて僕に聞いてきました。
 薫とは親同士が友だちで、子どもの頃から同じ体操教室に通っている幼なじみでした。男生徒にいわせると、アイドル、広末涼子によく似ている感じだといいます。髪の毛が長いのだけが違うともいいます。体操部の男子の先輩たちにも人気があって、みんな、つきあいたいと思ってるようです。
 体操の腕前はよく、平均台が得意で中学校の頃には、薫は県大会で種目別優勝したことがあるほどです。1年生にして、もう女子のエースなのです。ダメ部員の僕とは大違いです。そのせいか、クラブでは「仲間」ではなく完全に「姉」のような立場でした。
「ねえ、元気ないな。なにか悩みでもあるの。あったら話してみなさいよ」
薫は聞いてきます。
「なにも・・」
僕が目を落とすと、そこには子どもの頃とは違う薫の胸がありました。
 近頃、薫の胸はぐんぐん大きくなっていると僕は思っています。ふくらみはレオタードを突き上げています。85は越えているでしょう。身長158センチと小柄なのでバストがよく目立ちます。コーチの先生が「薫は思春期だからしょうがない」と言っていました。また、練習では一分丈のスパッツを穿いていますが、その腰の部分も、もう女のものです。
「なにもないなら、もう少ししっかりしなさいよ。2年になってもレギュラーになれないよ」
薫は去っていきました。

 僕は体操部で『残り練習』をすることにしました。「技が決まらない」という理由で、皆が帰った後、残って練習することにしたのです。と言っても体操部の練習ではありません。今度イベントでやるルーティンの練習です。音楽に合わせる必要がありますが、まさかラジカセで音楽を鳴らすわけにはいきませんので、ヘッドホンステレオを腰につけて聞きながら、鏡を見て踊ることにしました。
 さすがに、時折入る「ヤア」とか「ハア」とかいうかけ声だけは恥ずかしくてできませんでした。しかし、踊りの方はまあまあうまく踊れる自信がつきました。バック転とかバック宙など、いわゆるジムナスト(体操技)も、練習しなくてもできるわけですからやりませんでした。しかし、チアリーディングの動きはかなりハードです。初夏の体育館の中は暑く、僕は上のシャツを脱いで上半身裸で踊りました。
 1時間くらい踊った時でした。背後に人の気配がします。振り向くとそこにはバレリーナのように髪を束ねて「おだんご」にした薫が立っていました。練習用のピンクのレオタードに一分丈のスパッツ姿です。僕は心臓が口から飛び出すほどびっくりしました。女子バトン部の振り付けを、一人で体育館でやっていれば不自然です。
「真一、何やっているのよ」
「・・・・」
「それ、チアリーディングか何かの振り付け?」
もう一度、心臓が飛び出しそうになりました。
「いい・・いいや」
「うそ、おっしゃい!!」
薫の目は射るような厳しさです。
「真一、あなた、このごろ、バトン部キャプテンの西条マリアとつきあっているそうね」
一瞬、マリアと僕の関係がバレているのかと思いました。
「あのマリアって2年生、あまりいい噂、聞かないわよ。露出過剰のコスチュームで男たぶらかしているって」
「うん、そうかい」
僕ははぐらかします。
「どうせ、ウブなあんたのことだからあのマリアに騙されて、振り付けなんか考えさせられているんでしょう」
「そ・・そんな、違うよ」
「なにが違うのよ。そのカセットの音楽を聞かせてみなさいよ」
薫はどんどん僕を追いつめます。

 僕が沈黙していると、薫は開いた体育館の扉を閉じました。おまけにカギまで閉めます。完全な密室です。僕は恐怖しました。頭に中でここ数週間のことがグルングルン回っています。覗き、女装、Y字バランスでのセックス・・・。薫はそのことを知っていて、この場で告白させられてしまうのではないかと思いました。その責めのために扉を閉めたのではないかと僕は思いました。
「やっぱり、マリアが原因ね。あの2年生が・・」
 マリアと薫は明らかにタイプが違います。奔放なマリアのヒール(悪役)ぶりは、全校生徒のみならずPTAまで知っています。当然のように酒、タバコもやっているし、援助交際もしているとの噂になっていました。
 それに対して薫は、体操だけでなく成績も優秀で多くの校長表彰を受けていました。薫がマリアを毛嫌いしても不思議ではありません。
「なんで、よりによって、何でマリアなんかが好きになったのよ」
「そんな好きだなんて・・」
「あんたたちがコソコソ会っているの、知っているんだからね」
薫の目は潤んでいます。
 たしかに、打ち合わせでマリアが僕の教室に来ることも多くなっています。
「好きなんかじゃないよ」
「じゃあ、なんで、あんたが女子バトン部の振り付けを踊るのよ」
僕は返す言葉がありませんでした。「女装してチアガールさせられているんだ!!」と告白したくなりましたが、口が裂けてもそんなことは言えません。
「マリアの“女”にたぶらかされているんでしょう」
「えっ」
僕には“女”の意味がわかりませんでした。
「“女”ってなんだよ」
僕は聞き返しました。
「マリアとエッチしてんでしょう」
小声ながらはっきりとした口調で薫が言います。僕はドキリとしました。しかし、ノーとは言えない雰囲気です。気まずい沈黙が体育館を支配します。
「やっぱり、そうなんだ」
薫が確かめるようにポツリと言いました。




第6章、平均台

「信じてたのに・・・」
薫は悲しそうな表情を見せます。女の表情です。まさか、薫は僕のことが好き・・・?
「ハン。そんなにマリアの“女”がいいの? なら、私の“女”だって・・」
薫はいきなり一分丈のスパッツを脱ぎ、さらにピンクの練習用レオタードに手をかけました。
 薫の足元にピンクの練習用レオタードが落ち、ベージュのフロントホックのスポーツブラと、一番最初に僕が穿かされた例の「プチッティ」・・、それに体操シューズだけになりました。女子体操の選手が僕の目の前でレオタードを脱ぎ捨てて、スポーツアンダーだけの姿になりました。
「お・・おい、か・・薫」
僕が声をかけようとすると、薫は鏡の脇にある床に飛び出して、いきなり床運動を始めました。確か、薫がインターハイ出場用に練習しているルーティンです。
 床のクロスを巧みに使っての動きです。見事なまでのタンブリングと、柔らかいバランスの組み合わせが、薫の演技の特徴でした。それをレオタードなし・・・Yバックのブラとほとんどフンドシのパンティだけでこなしてゆきます。美しい身体全体の動きと躍動する筋肉がはっきり見えます。
 それにしても、まるで試合のようなすさまじい気合いと集中力です。演技が終わると、薫は体育館の床の真ん中で「よつんばい」になりました。
「はあっ・・はあっ・・はあっ」
一気に汗が身体中から吹き出しています。
「か・・薫」
僕は駆け寄って声をかけました。
「触らないで!!」
薫は立ち上がりました。
「わ・・私ね・・こんな・・恥ずかしい・・下着だけで演技・・しているのよ」
薫は呼吸を整えながら言います。スポーツ下着のことを言っているようでした。もし、僕が女子バトン部で女装を経験していなかったら、本当にそのスポーツアンダーにびっくりしていたかもしれません。しかし、その「秘密」を僕はもう知っていました。いまさら驚くことはありませんでした。告白にどんな顔をしたらいいかわかりません。
 薫は、肩で息をしながら自分を「淫ら」にし始めていました。
「・・競技会用・・なの・・よ。こんな・・フ・・フンドシ・・穿いて演技するのは・・大きな大会だけ」
薫は告白を続けます。
「れ・・練習する時は、れ・・練習用のワンピー(レオタード)・・つ・・着けて、試合・・前に・・試合用ワンピーに変わるとき・・トイレ行って・・ショーツを・・これに変えるの」
薫は明らかに挑発していました。どこで覚えたのか、女の声と息の使い方を知っているようでした。
「も・・もう」
薫は待ちきれないような声を上げて、『下着床運動』に立ち尽くしたままでいる僕の体操練習用の白い半ズボンに手をかけました。そして一気に下に下ろしました。僕は下半身も裸になりました。丸裸です。
 僕の男根は立ち上がってはいますが、完全勃起の状態ではありませんでした。
「これだけじゃあダメなの? マリアの方がいいの?!」
薫はふたたび立ち上がりました。そして、体操シューズも脱ぎました。
「それならマリアが絶対できないこと見せて上げる」
そういうと薫はフロントホックになっているスポーツブラに手をかけてはずし、さらに最後の「プチッティ」も取りました。
 薫が・・女子体操部のエースが・・僕の目の前で何も着けていない全裸になりました。初めて見る薫の乳房は大きく、垂れていませんでした。むしろ、丸く、乳首がツンと上を向いています。股間のヘヤの範囲は小さく、少し刈ってあるようです。薫は股間と乳房を隠してません。
「か・・薫」
そして、薫はいきなり、やはり鏡の脇に置いてある平均台に上がりました。床運動と同じく薫がインターハイ出場用に練習しているルーティンでした。
 薫は県大会の平均台で優勝したことがあります。平均台は得意中の得意です。種目別の平均台では、五輪候補の可能性すらあります。その体操選手が一糸まとわぬスッ裸で平均台に上がっているのです。
 薫はすばらしい演技をすばらしい集中力で続けています。一糸まとまわぬスッ裸・・・女子高校生の体操選手が全裸で平均台をしているのです。それを見ているのは僕だけです。僕と薫だけの世界。
 薫の演技は、県大会で種目別の平均台で準優勝した時、その演技を会場で見ていました。県大会の時はそれを上品な白のレオタードでやったわけですが、今は平均台の演技を一糸まとわぬスッ裸でやっているのです。ぼくの男根はその違いを思った瞬間、はっきり勃起しました。裸で・・・全裸でタンブリングや開脚倒立をしてるのです。
 薫のルーティンはすべて開脚の方向が僕の方を向いていました。つまり、開脚すればすべてオマンコ・・・いや赤黒い股間が見えてしまうのです。器械体操選手の薫は、ぼくに自分の秘部を「披露」しているのです。「挑発」という言葉が浮かびました。
「はあああっ」
薫はゆっくりと前後開脚しました。県大会優勝の選手が平均台の上で全裸で前後開脚をしています。薫はまったくスッ裸で演技していることを気にしていないようです。
「はあっ!!」
薫は気合いをかけると今度はY字バランスをしました。全裸でのY字バランス・・。そんなものは誰もみたことがありません。
「そりゃあ」
気合いと共に助走をかけ、一気に「むき身」の身体が宙に舞いました。平均台のフィニッシュです。
 5分足らずの全裸平均台の演技が終わりました。平均台をおりた薫はマットの上に再び「よつんばい」になりました。僕はその薫の姿を背後から見ていました。バレリーナのように束ねて「おだんご」にした髪が乱れて、その乱れた髪に汗が流れています。
「はあっ・・はあっ・・はあっ・・はあっ」
普通以上の集中力だったのでしょう。息がすごく乱れています。しかし、僕の注目は軽く開いた両脚の付け根にある赤黒い谷間です。汗の粒がその赤黒い谷間に向かって侵入しています。谷間には星のような形のくぼみと唇を縦にした形の筋がありました。子供の頃から知っている薫ですが、薫のその部分を見るのは初めてでした。
「はあっ・・はあっ・・はあっ」
薫の腹部が波うっています。
 マリアと「した」のは1回だけです。しかも、昨日は生殺し状態で終わっているのです。ぼくの中の「炎(ほむら)」が一気に心の中で燃え上がりました。僕はたまらなくなり、薫の尻を掴んで、きつく勃起した男根を縦の唇に入れようとしてしましました。
「な・・なに・・やってんのよ!!」
薫が声を上げて尻を振り、僕の手をはずしました。
「う・・はあっ・・後ろから・・なんて・・イヤ」
薫は四つんばいの姿勢を崩して、マットに仰向けになりました。
「はあっ・・はあっ」
薫の呼吸はまだ乱れたままです。汗が薫の身体・・体操選手の身体を流れ、全身を濡らしているんです。
「私・・マリア・・なんかに・・負けないもん」
小声で薫が言いました。この時、薫のスッ裸になっての演技は、マリアへの対抗心だったとわかりました。

 薫は仰向けからゆっくり身体を起こして横になり、上半身を弓なりに起こしました。そして右の脚をくの字に折り、左の手で左の足首を持って左脚を目一杯引き上げました。よくストレッチでやる、左脚を伸ばすポーズです。きれいに左脚が伸びています。鍛え上げた柔軟性を持つ器械体操の女子選手だからできる形です。もちろん、そんなことをすれば股間が完全に露出してしまいます。
「い・・今なら・・い・・いいよ」
全裸で突っ立っている僕に薫は言いました。絶対に人には見せられないような恥ずかしいポーズをとって、自分のオマンコを完全露出させているせいでしょうか、それとも言葉のせいでしょうか、薫は真っ赤です。
「は・・早く・・入れてよ」
僕はその言葉に突き動かされました。
 僕は信じられないほどに大股開きをしている薫の股間へ入ってゆきました。もう僕の男根は目一杯膨張して天を指し示しており、触れば爆発してしまいそうです。思い切ってそれを薫の下の唇に入れてみました。
「薫・・薫・・」
 うまく入りきらず引き抜くと、汗とは違う薫の粘液が付いてきて、僕の男根と薫の下唇の間で糸を引きました。僕は右の手を開いてる薫の左脚の太股にそえました。
「ああん・・・こんなに開いて・・恥ずかしい・・早くうん・・・」
「か・・薫・・ああっ」
僕はもう人間としての理性をなくしていました。これ以上開かないというほど、薫に大股開きをさせて、その谷間に男根をなんとか打ち込みました。
「あああああ」
薫が声を上げました。
「動かして・・」
その言葉で僕は男根を薫の身体の中で律動させました。
「ああっ、中で出さないで」
そんな言葉は僕の耳には入りませんでした。数10秒で僕は動きを止めました。爆発する体勢になったしまったからです。
「中で出さないで!!」
薫は叫んで、僕の身体を引き離しました。
 『接合』がはずれた瞬間、僕の男根の先端から僕の欲望を濃縮した液がいきおいよく吹き出し薫の股間を汚しました。一部は薫の腹と顔にまで飛びました。
「ああっ」
薫は吐き出された液を自分自身の股間に塗り付けました。そして、身体を起こし、今度は突っ起ったままでいる僕の男根をさすり始めました。
「まだ、出るでしょう。私になら・・・」
「ああっ」
薫は僕の男根をきつくさすり続けました。しばらくして体内に残っている精液が再び、僕の男根から吹き出して薫の胸元を汚しました。
 僕は自分の「精」全部を放出したせいでその場にへたりこんでしまいました。
「う・・うれしい。これで・・マリアと対等・・・」
 広末涼子に似た高校生の器械体操選手が、身体の緊張と解き、仰向けになって僕の精液を胸に塗りながら言いました。




第7章、入部希望者

 薫とのことがあった翌日、僕はマリアにバトン部の部室に呼び出されした。
「今日はな、ピラミッドの形をどう作るか、打合せをしたいんだ」
僕を含めた5人を前にマリアが話を始めようとした時でした。コンコンと部室のドアをだれかが叩きました。
「どなた、開いているわよ」とマリア。
ドアが開くとそこには聖桜薗学院の制服であるセーラー服姿の薫が立っていました。僕は薫が、ついにマリアの関係や女装してチアガールをやることを知って怒鳴り込んできたと思い込みました。
「1年3組の橘薫です。入ります」
薫は部室に入りマリアの前に進みました。
「私、女子バトン部への入部を希望します」
僕は本当に心臓が止まりそうになりました。
「ほう」
マリアはニヤリとしました。
 僕はこれから先どうなってしまうのかと考えて頭が混乱してきました。

(ボクはチアガール3=完結編=に続く)

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