妖精の楽園


第1章、狙う

「おい、なにかもっと面白いネタないかよ」
写真週刊誌『シャッター』の編集長、山崎は、緊急の編集会議でもの憂げに部員たちに言った。もうかれこれ2時間以上会議が続いていたが、芳しい成果を得られなかった。
「みんな、なにかないと廃刊になっちまうよ」
『シャッター』は写真週刊誌の中でも弱小だった。大手出版社の競争におされている。なんとしても起死回生したかった。そのためにはいいネタ、面白いネタが欲しかった。
「あのう・・・」
入って2年目の編集部員、青木が手をあげた。
「青木ちゃん。なにかあるの」
「実はまだ、確認とれてないっちゅうか、噂っちゅうか」
日頃ならそのような不確実なものの言い方は無視されたが、今回の会議はどんなアイデアでもよかった。
「いいよ、言ってごらんよ」
「実は前、女子高校生売春の取材した時、小耳にはさんだんですけれど」
「何よ」
「東京に三階堂女子学院という学校がありますよね」
「知ってるよ。スポーツの名門女子高校だろう」
「そこの器械体操部は、気合いを入れるためにすごい格好でトレーニングをやってるって噂でして・・」
「すごい格好って」
「なんでも、股間だけ隠すTバックだけで体操するのが伝統だとか」
「ええっ!!レオタードもなしかよ」
「だそうです」
"オッパイぶるんぶるん"が見えちゃうじゃねえか」
「編集長、いやらしい」
そう言ったのは女子の編集部員だった。
「そりゃ、すごい」
山崎は気にせず続けた。
「なんでも土曜日だけの特訓で『土曜特練』って呼ばれているそうです」
「よし、それやってみろ」
 名門スポーツ女子高校の選手たちが裸でトレーニングする盗み撮り写真は考えただけでも「売れそう」だ。
「よし、張ってみろ。カメラマンはスポーツ専門の矢木沢ちゃんつけるから」
「わかりました」




第2章、特訓

 夏に近いある日、近くのビルの屋上から三階堂女子学院の体育館を狙うレンズがあった。
「おい、本当に娘たちが上半身裸で体操しているのか」
「はい。情報だと暑くなると外で練習することもあるとか・・」
レンズの背後には2つの人影があった。写真週刊誌『シャッター』の青木とフリーカメラマンの矢木沢だった。
「もうすぐですよ。"オッパイぶるんぶるん"でするのは」
「本当かよ」
 矢木沢は面倒そうな仕事に乗り気がしないでいた。やがて、数人のタンクトップに白いスコートを穿いた少女たちが体育館から出てきた。3年生の体操部キャプテンの井上愛恵たちだった。
「なんだ。テニス部員か」
矢木沢は超ミニスカート姿の女子高校生も、しっかりとカメラに収めていた。
「変だな」
と青木。
「これじゃ、普通の覗きとなんら変わりないぜ。ガゼネタじゃないの。青木ちゃん」
矢木沢はイヤミを言った。
「しかし、短いミニだな。水平に見たらブルマー丸出しだな」
愛恵の他には、まゆみ、なおみの2人がいた。3人とも極端に短いミニのテニススコート姿だった。カメラに気づいた様子はなかった。
 体育館の外にも段違い平行棒や低い平均台などがあった。錆防止の塗装を施した筋力トレーニング用のマシンも数台あるのが見える。

 愛恵たち3人はいずれも三階堂女子学院高校の体操部員で、個人戦代表に選ばれていた。体操選手に大柄な少女はいない。愛恵たちも小柄だったが、近頃バストが大きくなり始めていた。体操で身体が作られつつあった。
「体育館の中、暑かったわね」
「中で練習というのはきついわ」
「じゃあ、今日は外で『土曜特練』しましょう」
愛恵は言った。
「じゃあ、みんなが来る前に少しストレッチするわ」
愛恵は、低い平均台でゆっくりストレッチを始めた。Tシャツやタンクトップとミニで体操競技の練習とは、意外な組み合わせだった。
 愛恵が前屈した。その瞬間、矢木沢と青木は「あっ」と息を飲んだ。愛恵たちのスコートの下は、小さなフンドシのようなサポーター一枚だけだったのだ。開脚などのストレッチでスコートはめくれ上がり、にょっきりと2本の脚と、なめらかな曲線を持つ小さなサポーターだけが隠す下半身が、剥き出しになっていた。少女たちはゆっくり股関節を開きストレッチしている。
「ああ・・ああ」
 "オッパイぶるんぶるん"どころではない異様な光景だった。しかし、その異様さゆえに2人は無言になった。青木はそれだけ言うのがやっとだった。矢木沢は無言でシャッターを押していた。
 三階堂女子学院器械体操部では、『土曜特練』の時、体育館の外へ出る場合には着やすいTシャツかタンクトップにテニス用のスコートとなっていた。教室などへ帰る時や外で筋力トレーニングなどする時などの「コスチューム」だった。
「ひ・・・・左」
青木が叫んだ。矢木沢が望遠レンズを振ると、その先には女子高校生が4人いた。しかし、その4人の高校生は体操シューズとリボン、それに辛うじて股間を隠すタンガ以外は、一切の衣服を身に着けていなかった。小さくもなく大きくもない丸い乳房を隠しもしないで立っている。ほぼ全裸に近い状態だった。身体は体操で鍛えた筋肉質の肉体。ゆで卵を剥いたような肌の女子体操界のサラブレットたち。ヌード寸前でトレーニングする名門、三階堂女子学院器械体操部員たちの姿だった。

「集合!!」
その声で、体育館にいた部員たちは、腹の部分を切ったタンクトップやTシャツにスコートを穿いて表に出てきた。愛恵の前に10人程度の部員たちがならんだ。全員、爪先立ちだった。
「今から土曜特別練習を始めます。わが体操部の伝統の『気合い入れ』の行事です。先輩たちも、この裸で練習する『土曜特練』を経て日本の一流選手になりました。すこし恥ずかしいかもしれませんが、がんばっていきましょう」
「はい!!」
「声出していくよ!!」
明美が言った
「三階堂ファイト!!」
「オー」
「ファイト!!」
「オー!!」
「ファイト!!」
「オー!!」
少女たちは気合いをかけた。
「ジャズから始めるよ」
少女たちは校庭でヌード寸前でのジャズダンスを始めた。
 愛恵たちはさらにスコートをたくしあげた。スコートはほとんど"腰巻き"状態となった。ラジカセの音楽で9人の女子高校生たちが踊り始めた。
 ターンすると股間と尻の谷間は矢木沢たちの位置からでもはっきり見える。暑いせいか、すぐに汗が飛び散っているようだった。10分ほど踊った少女たちはすぐに汗びっしょりになった。タンクトップやTシャツが透けるほどだ。
「続いて回転系の運動やるよ」
と愛恵。
「ねえ、暑いし、誰も見ていないんだから、タンガも脱いでしまおうよ」
明美が言った。
「まあ、いいか。誰も見ていないことだし・・」
愛恵と3人の少女たちは、タンクトップを脱ぎ、テニススコートを取り去った。最後の一枚であるタンガにも手をかけた。そして、スッパリと脱いだ。
 真夏近い季節の太陽の下で少女たちはついに体操シューズだけの生まれたまんまの姿になった。美しい乳房と尻を屋外で晒したのだ。
「今日は全部、脱いじゃっていいからね。ルーティンやる時、邪魔でしょうから」
「はい」
先輩たちの姿に後輩たちも従った。
 矢木沢は叫ぶようにつぶやいた。
「おい、お嬢さんたち、ついにすっぽんぽんのスッパダカだよ!!」
16〜17歳の娘が下着も衣服も脱いで女子高校の校庭でスッ裸になっている。2人は夢を見ているような気持ちになった。
 体操部員たちは、2人の男が覗いていることも知らず「スッパダカ」のまま、再びエクサスサイズや筋力トレーニングを始めた。
 女子高校の体操選手たちの身体には一枚の布切れもないのだ。あるべきレオタードもアンダーもない。スッ裸になった少女たちが、ゆっくりとY字バランスや側宙をしている。股間が太陽の光に向かって完全に開かれているのだ。少女たちの股間の色は人によってピンクだったり茶色だったり様々だ。一糸まとわない「完全ヌード」。まっ裸の少女たちは、誰も見ていない楽園で妖精の舞いを繰り広げていた。
 ここはまさしく楽園なのだと矢木沢は思った。この女子高校の庭は妖精たちがなんの束縛もなく自由に振る舞える楽園なのだ。




第3章、平均台

 女子体操選手たちの "すっぽんぽん" 運動は続いていた。生々しいはずの足先だけが、体操シューズに覆われて美しい形を保っているのだ。
「ちょ・・・ちょっと」
青木は言った。
「ばか野郎、オナニーなんかで現場を離れるな」
矢木沢が叱りつけた。
「で・・・・でも」
全裸になった選手の一人は矢木沢のカメラがある方向を向いてY字バランスを始めた。さすがに全国レベルの体操選手たちだけあって、ほとんど脚が身体の脇に密着するような形だ。当然、茶色の股間が開かれていた。
 もう一人の別の選手は太股にサポーターを巻いている。しかし、それ以外の素肌は完全露出。風呂に入るときのようにまっ裸だった。その太股のサポーターが異様に艶めかしかった。
 その選手は外に出されている低い平均台の上に乗った。そして、跳躍や側転を繰り返してやった。お椀をひっくり返したような形のよい乳房が、プリンのように揺れていた。レオタードも下着も着けない女子器械体操の選手たち。 "女になりたて" の女子高校生たちが "むき身" でトレーニングしているのだ。別の選手はコンクリートの上で見事な前後開脚を決めて見せた。
「いやん、大事な所に砂が入ちゃう」
その声は二人の「盗撮者」の耳にも入った。

 学校の校庭では陸上部やソフトボール部らしい女の子が練習をしている。全裸の体操部員たちを特別、気にしている様子はなかった。気にするほど「めずらしく」ないのだろう。体操競技でレオタードを着用するのは、身体の線をはっきり出すためだが、男の目さえなければ、どんな格好で体操しようが気にする必要はないのか。
「じゃあ、平均台するよ」
愛恵が声をかけて、数人の娘たちがコンクリートの穴にバーを差し込んで、競技に使われる高さ1メートル20センチの平均台を作った。前後にウレタンのマットが引かれた。
 部員たちは石灰を手に付けた。一人の「裸の妖精」が平均台の前に立った。くるりと回ったかと思うと。見事な開脚回転で平均台に上がった。
 レオタードも下着もないため、見事に開かれた両脚の付け根はよく観察できた。矢木沢はそれをアップで写真に収めた。美しい肌の中でそこだけが赤茶色に変色している。平均台の少女はいきおいをつけずにウレタンのマットの中に落ちていった。
「今度は愛恵ね」
愛恵は体操シューズを脱いで、髪をアップにした。そして、平均台に脚をかけバレリーナのようにストレッチした。
 多くの体操選手がそうであるように愛恵もクラシックバレエのレッスンを受けていた。身体のこなしがとてもきれいだった。
「あの娘、どこかで見たことがある。そうだ、全日本一位の井上愛恵だ」
矢木沢は、愛恵が全日本体操選手権高校生の部で一位になった選手だったことを思い出した。他の選手が小学生で成長が止ったような「幼女」の身体つきなのに対して、愛恵はバストもヒップも十分に張った「少女の身体」だった。顔だちもかわいかったので多くの取材が殺到した。その中には矢木沢もいたのだ。
 矢木沢が取材した時はハイレグのレオタードだった。「脚が短い体形なのでちょっとハイレグにしています」と愛恵は答えた。いま、そのアイドル体操選手は自らレオタードを脱いで「完全露出」で平均台運動をしようとしているのだ。
 愛恵は平均台から脚を下ろすと、今度は体躯を地面についている方の脚につけて、もう一方の脚を空高く突き上げた。当然、股間は大きく露出した。かわいらしいピンク色だった。見事な動きはレオタードを着けているときと変わらなかった。さすがに全日本クラスの選手だ。見事な前方倒立回転を繰り返した。
「ちょっと、姿勢を直すから補助して」と二人の体操部員を呼んだ。愛恵は逆立ちしたまま前後に脚を開いた。二人の体操部員がまっ裸の愛恵の脚を支えた。再び、愛恵はパンティもサポーターも穿いていない股間を太陽の光の中に晒した。矢木沢には愛恵のピンク色の奥まではっきり見えた。
「お嬢さんの内蔵まで見えそうだ」
愛恵は少し回転運動をしてウレタンの中に落ちた。
「次、一年生、行きなさい」
明美が声をかけた。
「じゃあ、由加からね」
由加と呼ばれた少女はいったん、Tシャツを着けていた。
「はい」
由加はTシャツも脱いだ。
 一人一人、全裸の平均台をするつもりのようだ。後から裸になった部員たちは1年生部員のようだった。
「はい、行きます」
スッ裸になった由加は平均台に上がった。両腕を上げ胸を突き出すポーズをとった。
「ナイスポーズ!!」
他の部員たちから声がかかった。由加の胸はほどよく盛り上がっており、先端の乳首は淡いさくら色をしている。さわればまだコリコリしているだろう。まさしく少女のそれだった。
 由加が跳躍した。愛恵ほどうまくはなかったが、動きは少女らしい愛らしさだった。いたずら好きの活発な娘をうまく身体全体で表現している。由加の演技が終わって拍手が起こった。
「次、行きます」
今度は別の少女が全裸演技を始めた。演技を終わった由加、Tシャツを腰に巻いただけの裸でマット脇に腰を下ろして見学を始めた。矢木沢たちのカメラに気づかないため、「モロ」に脚を開いたままで見学している。
「もうちょい」
もうちょっと、座る位置がずれると直射日光が由加の股間に差し込むのだ。由加は矢木沢の期待通り座る位置をずらした。恥毛の奥にある由加の股間はみごとに太陽の光の中に晒された。

 少女たちは演技する時、Tシャツやタンクトップを脱ぎ、終わると着ける。一応、身体を冷やさないようにしているようだ。
 最後にまた、愛恵の番がやってきた。愛恵はたしかに美少女だった。髪をアップにしてマットに立った。肉体の線も女に近く、1年生部員たちとは格段の違いがあった。
「ちょっと待ってね。股関節が少し痛いからタンガ着けさせてね」
愛恵はいったんタンガを穿いた。
「ごめんね。じゃあ始めます」
タンガ、いや『ふんどしパンティ』を着けた愛恵は、再び平均台を始めた。
 ゆっくりした倒立からタンブリングへ。そしてY字バランスと確実に技をこなしてゆく。技のたびに矢木沢は忙しくシャッターを切った。愛恵は連続後転跳びのみごとな技でフィニッシュを決めた。演技が終わった時には『ふんどし』は完全にヒモになり、愛恵の筋に食い込んでしまっていた。『ふんどしパンティ』は女子高校生の美しい器械体操選手の股間に食い込んでいるのだ。
 愛恵はマットから降りた。
「やっぱり、股関節の調子が悪いわ」
そう言うと愛恵は平均台に脚を預けて開脚をした。『ふんどしパンティ』を股間に食い込ませたままで、ゆっくりと調子を見るように脚を開いた。始めはY字状の開脚だったが、やがて開かれた脚は見事な "真一文字" になった。愛恵の股間にはピンと張った一本のひもが通されていた。タンガはもはや "ひも" になっていたのだ。矢木沢のカメラからは愛恵の股間が濡れているように見えた。
 愛恵は "ヒモ" を脱いで、再び全裸になった。そして、四股を踏むように脚を開いてゆっくり上半身を回した。体育館の壁まで行き、その壁に向かってストレッチを始めたのだ。バーストレッチというダンサー特有の準備運動だ。愛恵はバレエスタジオのバーの代わりに壁を使っているのだ。
 何人かはその『ヒモのふんどし』を床運動の時に着けていた。
「これでは何をサポートしているかわからん。クリトリスでも擦っているんじゃないか」
 愛恵の『ヒモのふんどし』に粘液が付いているのを矢木沢のカメラは捉えていた。




第4章、トランポリン

「こんどはトランポリンやるよ」 愛恵が再び部員たちに声をかけた。
 愛恵以外の部員たちは、床運動用のマットをたたみ、校庭の脇に置いてあるトランポリンを開いて体育館の脇に置いた。トランポリンは器械体操の選手が跳馬などの空中姿勢を決めるために利用する。数人の部員たちを除いて、ほとんどの選手たちは、いったんTシャツにテニス用のスコート姿に戻っていた。
 今度は最初に由加がトランポリンに上がった。Tシャツ姿だったがそれを取り払って、再び全裸になった。その姿でトランポリンをするつもりのようだった。
 トランポリンでの跳躍を前に、体育館の壁に立てかけた鏡に向かって由加は盛んにポーズをとった。器械体操の練習場に鏡が置いてあるのはポーズをつけるためだが、現役の女子高校生の体操選手がスッ裸になってポーズをつけるなど聞いたことも見たこともない。

「少し引くぞ」
矢木沢は青木に言った。カメラを担いで少し見えない位置まで移動した。もしトランポリンを使った跳躍運動を始めると、こちら側の姿が見えてしまう恐れがあったからだ。ギリギリでトランポリンが見えるところまで移動を終えた。
 由加は仰向けに寝たまま自分の脚を伸ばすストレッチをしている。さらに柔軟な身体を見せつけるように脚をV字に広げた。
「じゃあ、やります」
全裸の由加が跳躍運動を始めた。
 空中を飛び跳ね始めた由加は様々なポーズを空中で取った。脚を伸ばしたままの『伸身宙返り』から猫のように身体を丸めた『かかえ込み前方宙返り』までやった。
 由加はいったんジャンプを小さくした。そして、今度は大きくスイングして「はっ、あっ」という声とともに空高く舞がった。高さの頂点に昇った瞬間、由加の両脚は鈍い角度のV字に開かれた。平行棒でいう『開脚飛び越し』の姿勢だった。当然、何も覆うもののない股間は太陽に晒された。
「あああ」
矢木沢は声が出ない。無理もない。目の前の空中でまっ裸の少女が自分の生殖器を晒したのだから。
「お・・・・おマンコが」
青木は口に出すのも憚られる言葉をしゃべり始めていた。
「もう一度」
下から愛恵の声が飛んだ。
 青木は望遠レンズでそっと覗いて見た。すでに数人の部員たちが、下半身だけ裸でトランポリンの下で自分の番が来るのを待っている。次に跳ぶ愛恵は全裸で、トランポリンの台に脚をかけてストレッチをやっている。由加は『全裸大開脚飛び越し』を数回跳んだ。
「由加、もっと大きく脚を開かなくちゃ、きれいに見えないよ。私がお手本を見せてあげる」
愛恵はふんどし状の『タンガ』を穿き、トランポリンの上で飛び跳ね始めた。伸身の宙返りを数回した後、開脚飛び越しの技に移った。
 愛恵は由加にアドバイスするだけあって両脚を真一文字に開いている。見事な開脚飛び越しだ。矢木沢のカメラには愛恵の股間が写った。しかし、ちゃんと『あて布』があって愛恵のオマンコは見えなかった。
 「あっ」と矢木沢は小さく叫んだ。愛恵が数回目の開脚飛び越しをしようとした時、ブチリという音がした。ふんどし状の三角サポーターが激しい運動のために破れてしまったのだ。股間は "モロ" に開かれて愛恵は空中で "スッ裸" になってしまったのだ。
「いや〜ん、恥ずかしい」
由加と違って愛恵の股間は女子体操選手のほとんどと同じように、ていねいに "刈り込まれて" いる。覆うものは何もない。赤黒い股間部分がすべて太陽の光の中に露出している。性器はもちろん、尿道や肛門まで晒されてしまった。
 愛恵は一度、小さく跳んでひもになってしまったサポーターをはずした。そして、前と同じよう真一文字の『開脚飛び越し』をはじめた。
 全裸の女子体操選手がトランポリンで空中を舞っているのだ。そして、何回となく股間を "モロ" 開きにしているのだ。
「はっ」
愛恵はカメラの前で何度も気合いをかけながら "モロ" 開きを披露した。尻も乳も出しながら、恥ずかしいという感情はないようだった。いや、三階堂女子学院器械体操部員たちは、"脱衣して器械体操" することに恥ずかしさを感じていないようだった。
 結局、部員たち全員が同じように裸で空中に舞った。全員がTシャツを脱いだ。
「へ・・・・ヘアヌードどころか、お・・・・おマンコヌードじゃないか」
矢木沢が言った。




第5章、おやつの時間

「今、何時だ」
矢木沢が聞いた。
「えっ」
青木が聞き返した。
「今、何時だと聞いているんだ」
「2時半ですが」
「それなら、あと30分待てばもっとすごいのが撮れるかもしれないぞ」
 午後3時になるとおやつの時間だ。このことを矢木沢は見逃さなかった。
「それ、一旦、機材を撤収するぞ」

 2人が向かったのは学校近くのコンビニエンスストアだった。
「さあ、ここで網を張るんだ」
矢木沢は超望遠レンズからカメラ本体を外して広角レンズに付け替えた。
「おい、その紙袋をよこせ」
矢木沢は命令した。
「なにに使うんですか」
「いいから」
紙袋には広角レンズを付けたカメラが上向きにセットされ、電磁レリーズが付けられた。
「さあ、ゆくぞ」
 青木と矢木沢が待っていると、愛恵たち、三階堂女子学院体操部の部員らが現われた。制服の者もいればテニスルックの者もいる。
「おれの推測が正しければ、あいつらとんでもない格好しているぞ」
愛恵たちはおやつの菓子を買いにきたようだった。
「今日はどれにする?」
部員たちは集団でお菓子を買いに来たのだ。女子高校生なら誰でも『おやつ』は欠かせない。青木は長い取材経験から見事にそれを見抜いていたのだ。
「じゃあ、行ってくる」
矢木沢は紙袋をさげてコンビニに入って行った。
 青木が見ていると矢木沢は部員たちの背後にそっと寄っていく。そして、盛んに紙袋を部員達の脚に間に後ろから差し入れている。矢木沢の動作は素早かった。
 部員たちが買い物を終える前に矢木沢は店を出てきた。
「さあ、次のポイントへゆくぞ」
矢木沢は青木に命じた。
 次のポイントは学校前の急な坂道だった。その下に矢木沢と青木は取材用の車を停めた。
「さあ、次はここからだ」
青木はこんどはズームレンズをカメラに取付けた。
「もう、すぐに買い物帰りの連中がここを通る。それを狙う」
十分ほど待つと愛恵たちがやってきた。
 愛恵たちは急坂を登ってゆく。急坂では風が巻いている。風が部員のスコートをめくり上げた。その部員はパンティを穿いていなかった。
「いやん」
「平気よ。誰もみていないから」
愛恵が言った。
「そうか。じゃ、こんなことしても平気よね」
別の制服の部員が、今度は自分の手でスカートをめくり上げた。その部員もノーパンだった。股間のピンクの谷間ははっきりと見えていた。
「ねえ、校門の塀の上で平均台してみようか」
「ばかなことやってないで、学校へ戻るわよ」
部員たちは校舎へ消えていった。
 体操部員たちは全裸の身体の上に制服のブラウスとスカートをはおっただけなのだ。帰りがけに一人の部員が校門の前にあるごみ箱に紙袋を捨てた。

「と・・・・撮れましたか」
「ああ」
「じゃあ、帰りますか」
「まだ、フィルムはあるな」
「はい」
「じゃあ、もう一ケ所行くぞ」




第6章、覗き穴

 二人は三階堂女子学園の校庭が見上げられるわずかなビルの隙間に入り込んだ。管理人には無断だが、そんなことはかまっていられない。
 矢木沢はわずかな塀の穴から望遠レンズを構えた。青木も小さい隙間から覗く。
「間に合ったようだ」
矢木沢は言った。
「さっき、会話を盗み聞きしたら後半も平均台だそうだ」
今度は上から見るのではない。下から見上げるのだ。とんでもない写真が撮れそうだ。
「こっちの方がすごいかも知れないぞ」
 そうこうしている間に、Tシャツにテニス用スコートを着けた体操部員たちが現われた。
「ねえ、スッポンポンで器械体操しているところ人に見られたら大変だね」
Tシャツの体操部員の一人が冗談のように言った。矢木沢たちは心臓の音が聞こえるほどドキリとした。カメラの存在を知って大声を出しているのかと思った。2人とも反射的に逃げる体勢になろうとした。
「わたし、もう生きていけない」
「きゃははは・・」
すでに50本近くのフィルムの中にその姿は収められていることは知らないのだ。笑い声を聞いて矢木沢たちはホッと一安心した。気付かれていないようだった。
 愛恵たちが現われた。今度も裸の上にTシャツを着けているだけだった。
 愛恵は壁の方に歩いてきた。壁を見つめている。
「ま・・まずい・・見つかったか」
矢木沢は思った。しかし、逃げるわけにはいかなかった。
「し」
矢木沢は「動くな」というサインを青木に送った。青木と矢木沢は息を殺さざるを得なかった。
 壁をはさんで矢木沢と愛恵の間合いは1メートルいや、30センチもない。壁を見つめていた愛恵は、Tシャツを脱いでまっ裸になった。間近で見る愛恵の裸身は望遠レンズで見るよりはるかに美しく妖しかった。肌のきめが雪のようにきめ細かい。股間の恥毛は完全にそり落とされていた。どんなハイレグのアンダーショーツでも穿けるだろう。毛がないのだから。
 しばらく、愛恵は壁の前に仁王立ちだった。矢木沢はすきまから観察はしたがシャッターは押せなかった。愛恵までの距離はもう数センチだ。愛恵の肉体、いや、正確にはオマンコが放つ臭いまで感じれる距離だ。しかし、何か動けば音が出ればすぐに感付かれる。
「はっ」
愛恵は軽い気合いといっしょに見事な左右開脚をした。今度は青木の目の前に乳房が来た。そして、愛恵は上半身を左右に折って上半身の筋肉を伸ばした。乳房がぷるりと揺れている。5回ほどその運動を繰り返した。
 立ち上がった愛恵は今度は脚を壁にかけた。
「あ・・・・」
矢木沢が声を出しそうになった。愛恵のノーパンの股間が目の前で大きく開かれたからだ。奥の部分の色は深い茶色をしている。そして「濡れて」いるのだ。汗なのか俗に言う愛液なのかわからないが、湿り気があるのはわかった。
 愛恵はさらに上半身を曲げ、手のひらを地面に着けた。いわゆるブリッジだった。ストリップのダンサーを目の前で見たことは矢木沢も青木もあったが、愛恵はそれらの女たちとはまったく雰囲気が違う。禁欲的でスパルタンだった。
 女子体操の選手は、レオタードもパンティも脱いでスッ裸で体操したり、ストレッチしたりしてはいけないはずだ。しかし、女子体操の選手には下着は本当は必要ないのだ。羞恥心があるからしょうがなく着けるのだ。矢木沢は思った。




第7章、剃毛

「先輩」
「なに由加」
由加が愛恵に声をかけた。愛恵が壁から離れた。盗撮者2人は、再び息ができるようになった。
「ちょっと、身体の毛を剃りたいので剃刀貸してもらえますか」
「いいわよ。全部、剃っちゃうの」
「ええ、いままでレオタード着けてもじゃまだと思っていたんです。すっぱり剃っちゃおうか思いまして」
「そうねえ、体毛も剃った方が動きがよくなるよ」
「カミソリあるから持ってきてあげるね」
「よろしくおねがいします」
 由加は水道の所まで行ってTシャツを脱ぎ全裸になった。そして、水を身体にかけた。そして、愛恵が持ってきた剃刀を受け取って、全身に滑らせ始めた。全身を一回りさせるのは矢木沢からは後ろ向きだった。
「こっちを向け!!」
矢木沢は心の中で叫んだ。すると、由加は向きを変え、自分の股間にカミソリを当てた。
 矢木沢は16歳になったばかりの女子体操選手が、自分自身の恥毛を剃り落とすのを目撃することになった。由加は "ソリマン" となった。
 真夏の太陽の下で再び、少女たちは体操シューズだけの生まれたまんまの姿になり始めている。選手たちの身体には一枚の布切れもないのだ。こうまで裸を見せ付けられては、本来、器械体操ではパンティもアンダースコートもレオタードも着けないで演技する方が自然ではないかとさえ思えてくる。女風呂の更衣室のようにも思える。
 スッ裸の少女たちは、ゆっくりとY字バランスや側宙を始めた。股間が太陽の光に向かって完全に開かれている。
 "剥き身" になったばかりの由加が矢木沢のカメラに向いてY字バランスを始めた。レオタードも下着も着けない "スッ裸" の体操選手たちのトレーニングが再び始まった。愛恵も平均台の前に立った。くるりと回ったかと思うと。見事な開脚回転で平均台に上がった。
 レオタードも下着もないため、見事に開かれた両脚の付け根はよく観察できた。矢木沢はそれをアップで写真に収めた。いわゆる "モロ出し" だった。きめの細かい美しい肌の中でそこだけが赤茶色に変色している。
 愛恵は平均台に脚を下ろすと、今度は一気の連続の後転飛びをした。当然、股間は大きく露出した。これほどエロチックな平均台演技を見たことがなかった。女子高校生がまっ裸で平均台をする。それも太陽の真下でだ。
「もう、耐えられない」
小さな穴から覗いていた青木はその場でズボンを脱いだ。
「やるなら、見えないところで静かにしろ」
矢木沢が言った。
 青木は、太陽の下で全裸で器械体操する "無法な" 少女たちに我慢できなかったのだ。さらにまっ裸になっての剃毛まで目撃しては、我慢するのはとうてい無理だった。
 すでに10人近い女子選手が『上着』を脱ぎ始めていた。男さえいなければ、女子運動選手はパンティもブラジャーも脱いで一糸まとわぬスッ裸で、体操だって水泳だってダンスだってするのだ。全国にいる数千人の女子高校生の何人かは、そうやってスポーツしている。男が知らないだけなのかも知れない。




第8章、悪だくみ

 二人は会社の暗室ではなく印刷会社の暗室で100本以上あるフィルムを現像した。
 二人が見たまま、レオタードなし、パンティなしのすっぽんぽんの全裸でエクサスサイズや器械体操する三階堂女子学院体操部員が写っていた。買い物から帰る部員たちの様子もバッチリだった。
「おい、これ見てみろ苦労したんだぜ」
矢木沢は自分自身で大切に現像した数枚の写真を青木に見せた。
 最初の写真はなにが写っているのかまったくわからない写真だった。4枚目を見て青木はびっくりした。その写真は女子高校生の局部のアップだった。さらに5枚目のはテニス用のプリーツのミニスカートがめくれて局部が露出していることがはっきりわかった。コンビニで撮影したものだった。
「全部、『あおり』で撮ったんだ」
「・・・・」
青木は矢木沢の "エグさ" に困惑し始めた。
 矢木沢は写真の束を青木の前に放り出した。
「どうだ、この写真は。女子高の体操部員がオマンコもろ出しで体操やトランポリンをしているんだぜ」
「・・・・」
「マンコモロ出しだぜ。マンコモロ出し!!」
 全裸で器械体操をする女子高校生たちを写した写真が何100枚もあった。矢木沢は憑かれたようにしゃべり始めた。
「この娘はたしか全日本選手権にも出ている選手だ」
矢木沢は愛恵の写真を指さした。
「ところで、お前が聞き込んできたルート、まだ生きているか」
矢木沢は青木に聞いた。
「ええ」
「それなら夏の合宿の場所と時間を探ってこい」
「ええ、またやるんですか」
「そうさ。こんどは室内撮影だ」
「わかりました」
「それからな」
矢木沢は間を置いて言った。
「編集長には撮れなかったといえ」
「えっ」
「こんなおいしいネタ、週刊誌じゃあ面白くない」
矢木沢は笑った。
「妖精の楽園は俺たちだけのものだ」

(おわり)

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